サッカー

レスターシティの守備が固い!失点率が著しく低いラニエリの戦術とは?

投稿日:

resuta

さて、プレミアリーグも残すところ6試合となりました。

レスターシティの勢いは全く衰えません。ここに来て、4連勝中です。

優勝へのㇷプレッシャーが強くなる終盤戦には、レスターシティは失速するという予想でしたが、彼等はその予想を覆し、プレミアリーグ制覇が濃厚になってきました。

中盤戦以降、各チームはレスターシティ対策を講じ、試合で披露してきています。

ですが、対策をされても、レスターシティは試合に負けないんですね。

チームの勢いと一部の選手が活躍すれば、ある程度の順位までプレミアリーグでは登りつめる事が出来ると思います。

しかし、優勝を狙うとなれば全く話が違います。試合を消化するごとに負けられない試合が増え、重圧と疲労との激しい戦いが待っています。

各チームも対策をしてくるので、チームとしての総合力が厳しく問われてくるのが、プレミアリーグです。

チームとしての総合力でいえば、レスターシティは強豪クラブに大きく劣ります。

マンチェスターシティ、チェルシー、アーセナルなどの強豪クラブとは資金力、選手層ともに上回る部分は皆無といっていいでしょう。

それでも、レスターシティがプレミアリーグで首位を快走している理由を簡単に言うと『守備の固さ』が挙げられる思います。

今回は、レスターシティの生命線である守備の特長。監督のラニエリが用いる戦術について、公開してみたいと思います。

レスターの布陣はクラシカルな4-4-2。シンプルなタスクが功を奏している。

レスターシティは、一貫して開幕から4-4-2の布陣で試合に臨んでいます。

最近のクラブでは、4-4-2の布陣を用いる強豪クラブでは稀です。理由は運動量が増え、中盤を制する為にフォワードの人数を1人に削る布陣が一般になった為です。

要はフォワードを減らして、攻守にバランスがいい選手を多く起用しようという狙いです。

フォワードを減らし、守備意識が高い選手を増やす事で守備戦術も徐々に変化していきました。

現在では最終ラインを高く設定し、最前線から積極的に複数人でプレッシャーを掛ける『フォアチェック』が現在、サッカーの守備戦術として広く普及しています。

バルセロナ、レアルマドリード、バイエルン・ミュンヘンなどの世界屈指のクラブは当然、フォアチェックからのショートカウンターが基本戦術となっています。

特殊なのは、ディエゴ・シメオネ率いるアトレティコ・マドリードですね。このチームはレスターが展開するサッカーに似ていると思います。

レスターシティの守備戦術は『リトリート』です。出来る限り、自陣深くに選手が固まり、スペースを埋める守備戦術です。

最終ラインを高くして、複数人の選手が高い位置から積極的にプレスを行うフォアチェックとは対極にある守備戦術がリトリートです。

自陣のスペースを広くカバーする為に、レスターシティは4-4-2という布陣をしいているのです。

4-4-2という布陣は、中盤の中央2人の選手でカバーしなければならないのですが、両サイドに1名ずつ人数を割いているので、ピッチのスペースを幅広くカバー出来る布陣です。

低い位置に最終ラインを設定し、中盤の選手4人と最終ラインの4人でスペースをしっかりカバーしながら、2人のフォワードによるロングカウンターから得点を狙うのが基本です。

ゴールキーパー以外の8人で守備を担当し、2人で攻撃を担うという、シンプルサッカーを展開できるのがリトリートの特長であり、4-4-2の布陣が適しています。

レスターシティの場合、4-4-2の布陣から展開するサッカー戦術を微調整しており、従来の4-4-2の布陣から行う守備にも応用が利いています。

監督であるクラウディオ・ラニエリは、昨シーズンから採用されていた4-4-2の布陣から始まるゾーンディフェンスを更に深く浸透させ、チームとして機能させています。

最前線のフォワードである岡崎慎司、ジェイミーバーディには攻撃だけでなく、守備のタスクをしっかりと与えている事が、従来の4-4-2の基本守備戦術と異なります。

そして、最前線の選手と最終ラインの選手の位置を出来る限り、コンパクトにさせています。

レスターシティの守備戦術の基本は、岡崎慎司、ジェイミーバーディ、2人のフォワードのチェイシングからスタートします。

凄まじい運動量で、相手チームのセンターバック、ボランチからのパスコースを大きく限定し、2列目の選手でボールを奪う守備戦術を徹底させています。

2列目のマーク・オルブライトン、エンゴロ・カンテ、ダニー・ドリンクウォーター、リャド・マレズの4人が上手く連携して、限定されたパスコースに対してボール奪取を試みます。

パスコースが限定され、苦し紛れのロングボールが放り込まれても、空中戦が非常に強い、ウェズ・モーガン、ロベルト・フートの巨漢センターバックが跳ね返していきます。

最前線の選手がパスコースを限定し、中盤でインターセプトを狙い、苦し紛れのロングボールは空中戦が滅法強いセンターバックに対応させて、相手に狙い通りのサッカーをさせない。

以上の守備戦術がレスターシティーの特長であり、この守備が鉄壁を誇っているんです。

レスターシティの選手はあまり、手数を掛けずに攻撃を仕掛けます。中央の二人、ドリンク・ウォーター、カンテはあまり前線まで攻撃時には上がっていきません。

中盤の位置からミドルシュート、ロングパスをひたすら狙い、バイタルエリアの深くまでは走り込むという事はあまりしません。

全選手が自身のスペースのカバーを強く意識しており、攻撃時にポジションを動かす事でスペースを空ける事を徹底して避けている様に思えます。

とにかく、自身が担当するスペースのカバーを心掛け、攻撃よりも守備を優先してスペースを埋める事に意識を割く。以上を監督であるラニエリは選手に指示していると思われます。

レスターのボールポゼッション、パス成功率は、共にプレミアリーグ全チームの中では、下から数えた方が早いです。

理由は、上述した守備の為に、自身が担当するスペースに意識を集中させる事をとにかく優先させているからです。

攻撃時はあまりポジションを動かなくて済む『ロングボール』を主体に攻撃を選択しているので、ボールポゼッション、パス成功率が低いのはある意味、当然です。

エンゴロ・カンテの驚異的な守備力も注目されていますが、レスターシティは組織的守備が高いレベルで機能しているチームです。

チームとして、試合を重ねる毎に守備が固くなってきており、その理由としてスターティングメンバーを殆ど変えない事で守備連携が向上しているという事も考えられます。

面白いのが、レスターシティは運動量が多いチームに思えますが、実はあんまり走っていないチームとしてデータが挙ってきています。

短距離スプリントの頻度は多いのですが、試合を通して各選手の『無駄な動きが少ない』という証明ですね。

シンプルに任されたタスクを遂行させ、各選手の無駄な動きを減らし、集中を途切れさせないという、監督であるラリエリの思惑があるのだと考えられます。

レスターシティ対策にも柔軟に対応をしているラニエリ。

徐々に各チームによるレスターシティ対策が進んできています。

シンプルにバーディとマフレズだけをしっかりと抑え、レスターシティに長くボールを持たせる展開に持ち込ませようとしています。

ボールポゼッションが上がる事によって、パスの成功率も上がり、敵陣深くまでボールを細かく繋げるサッカーが可能になります。

ただ…現在のレスターシティには芳しくない展開なんですね。バーディとマフレズには厳しいですが、他の選手にはプレスが緩く、パスが繋ぎ易くなります。

その為、敵陣まで入りボールを保持するという事が可能となりますが、守備のリスクも上がってしまうんです。

ボールポゼッションが上がり、攻撃に人数を掛ける様になってしまうと、分かりやすい話ですが自陣に残る選手が減ります。

特にレスターシティは、守備時のスペースカバーを強く意識しているチームなので、攻撃に人数を掛けた結果、自陣にスペースを空けてしまう事は守備のバランスを著しく崩します。

レスターシティの選手を前線に釣り出し、自陣を手薄にさせた上でカウンターを狙う。

こんな戦術をレスターシティに対して、各チームが施す様になってきました。

ラニエリは柔軟に対応している様で、攻守に渡り、前線に選手を釣り出させない様に指示をしている様です。

攻撃時は自身のスペースを放棄してまで、無理に攻め込ませない。守備時は最前線の岡崎慎司、バーディのチェイシングの範囲をより狭くさせる。

おかげで、レスターシティの得点率は大幅に下がり、バーディ、マフレズも目立った活躍を披露する機会が減ってきました。

ただし、生命線の守備はスペースの意識がより強くなり、以前よりも固さが増している印象を受けます。

余談ですが、プレミアリーグは残り6試合となり、優勝争いはレスターシティとトッテナム・ホットスパーに絞られた感が強くなってきました。

レスターシティとトッテナム・ホットスパーの勝ち点差は7点です。

レスターシティが、残りの試合を2勝か3勝をすれば、ほぼリーグ優勝は確定的になると思われます。

今のレスターシティは守備が固いので、そうそう負ける事はないと思います。そうなると奇跡のプレミアリーグ制覇が現実的な話になってきますね。

岡崎慎司のキャリアハイがプレミアリーグ優勝…しかも、主力選手として…もっと、日本のメディアは岡崎慎司を取り上げて欲しいですね。

関連記事:岡崎慎司のレスターシティでの活躍は何故、日本ではあまり話題にならないのか?

-サッカー

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

宇佐美貴史は何故、伸び悩んでいるのか?

ガンバ大阪に所属する宇佐美貴史ですが、近年、最も成長が期待された日本人サッカープレーヤーですが、どうも伸び悩みの気配を見せています。 ガンバユース史上最高の選手と言われ、あのバイエルンミュンヘンに移籍 …

ネイマールのプレースタイルについて。

ブラジル代表の10番であり、バルセロナのMSNの1人である、ネイマールのプレースタイルについて公開したいと思います。 ネイマールという選手は、サッカー選手の実力というよりも容姿から見られるように、タレ …

ウェイン・ルーニーは衰えた?マンチェスターユナイテッドを支えたストライカーの今後は?

巨額の補強費を投じながら、結果があまり伴っていないマンチェスターユナイテッド。 『スペシャルワン』と自称するジョゼ・モウリーニョを監督に就任させましたが、現状では芳しい成績を残せてはいません。 そして …

ロベルト・レヴァドンフスキの凄さとプレースタイルについて。

現在、サッカー界でNo.1ストライカーは誰か? おそらく、バルセロナのルイス・スアレス、バイエルンミュンヘンのロベルト・レヴァドンフスキが挙げられると思います。 彼等の凄さは、ストライカーとしての個人 …

香川真司は何故?ギュンドアンよりも評価を得る事が出来ないのか?

ドルトムントに所属する香川真司の立場が微妙になってきています。 当初は監督であるトゥヘルに重宝され、インサイドハーフとして不動のレギュラーになり、好調を維持してきました。 ところが、トゥヘルによる守備 …