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ポゼッションサッカーを否定する風潮がどうもおかしい…日本代表に適した戦術の筈ですが…

投稿日:2016年3月31日 更新日:

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日本のサッカー界は最近、ポゼッションサッカーを否定する風潮が強く感じられます。

現在の日本代表監督である、ハリルホジッチが「縦に速いサッカーを!」を提唱している様に、以前まで持て囃されていたポゼッションサッカーを切り捨てる雰囲気が感じれれます。

ですが、ポゼッションサッカーを上手く取り入れる事は、体格的なハンデを背負っている日本代表には強みになると思うのですが…

日本で曲解されたポゼッションサッカーの本質。

グアルディオラ率いるバルセロナのポゼッションサッカーはサッカー界に衝撃を与えました。

華麗なるパス回しにメッシという稀代の選手が繰り広げる、繊細かつ強力なサッカーに世界中が魅了されました。

それは、遠く離れた島国の日本でも同様です。体格に劣っていても、相手を圧倒できるポゼッションサッカー。

このサッカーを日本サッカー界は当然の如く、取り入れ始めました。育成、Jリーグ各チームがポゼッションサッカーを主体に取り組むことになります。

残念な事は、日本サッカー界においてポゼッションサッカーの本質が正しく伝わらなかった事です。

ザッケローニ率いる日本代表がブラジルワールドカップで惨敗する事でポゼッションサッカー=悪しき日本代表、及び日本サッカー界の悪しき習慣と認識されてしまいました。

結果、現在、日本代表の監督であるハリルホジッチは『縦に速い攻撃を!』と提唱し、従来の日本代表の強みであって、緻密なパス回しを完全に否定する方向にシフトをさせています。

以上の経緯は、ポゼッションサッカーの本質が正しく日本サッカー界に理解されず、曲解されてしまった事が原因です。

ポゼッションサッカーの本質は体力を温存し、ハイプレス、ショートカウンターに備える事。

ポゼッションサッカーを世界中に広めたバルセロナでしたが、実は、バルセロナにとってポゼッションサッカーは最も優位性が高い攻撃戦術ではありません。

彼等が最も優先していた攻撃戦術は『ショートカウンター』でした。

バルセロナは選手間の距離を出来るだけ狭めて、相手陣内深くでボールをキープしていた理由は、ボールを奪われても、相手陣内ですぐにプレスを掛けられるからです。

選手間の距離が近いので、ボールを奪われても、複数人で迅速にプレスを掛けられる事が可能となります。しかも、敵陣深くから守備を行う『ハイプレス』が可能としました。

ハイプレスの利点は、『身長』が問われない事にあります。敵陣内でプレスを掛けるので、浮き球処理で競り合う事が著しく低くなります。

ですので、体格的に小さい選手が多いバルセロナに最適な守備戦術なのです。

ハイプレスにより、ボールを敵陣で奪い返し、素早くショートカウンターを仕掛ける。これがバルセロナの最優先戦術です。

ポゼッションは上述したショートカウンターが失敗した場合に選択する戦術です。敵陣内でボールをキープし、ハイプレスを掛ける体力を回復しながら、ゴールを狙っていきます。

カウンターとポゼッションは相反する戦術ですが、バルセロナはカウンターを有効に機能させる為にポゼッションを用いていたんです。

ポゼッションサッカーだ。いや、カウンターサッカーだ。というのはバルセロナにとっては、おかしな話なんですね。

特に日本のサッカーでは、ポゼッションとカウンターが切り離されて考えられています。

スペースが空いているのにダラダラと自陣でボール回しを行う。これが、日本で曲解されている悪しきポゼッションサッカーです。

スペースがあれば、どんどんボールを前に展開し、スペースがなければ、じっくりとボールポゼッションに切り替え、体力を温存し、ハイプレスに備える。

これが、ポゼッションサッカーの本質です。攻守一体の戦術であり、カウンターが失敗した時の二次攻撃戦術です。

ハリルホジッチは日本代表の長所を潰し、改善可能か分からない短所を伸ばそうとしている。

ザッケローニ率いる日本代表は、最も華麗で魅力的なサッカーを展開し、欧州の強豪とも渡り合える事を証明しました。

ブラジルワールドカップでは惨敗しましたが、ギリシャ戦の試合以外は得点をしっかりと獲得しており、守備力を改善すれば、より強いチームになれると予感をしていました。

ザッケローニの後任であるアギーレは、日本代表の弱点である、守備力の改善に取り組み、短い任期でしたが、守備力は見て分かるほどに改善したんです。

日本代表の強みであるポゼッションサッカーに、改善すべき守備力を植え込んだんですね。

ところが、現日本代表監督であるハリルホジッチは従来の日本代表の強みを全て壊してしまい、自身が提唱するサッカーを強引に日本人に植えつけようとしています。

外国人選手と渡り合える球際の強さ、フィジカルの向上。サッカー以外の技術で日本人選手が劣る箇所を改善しようと、選手のコンディションなどおかまいなく、強要しています。

残念ながら、日本人は、いくら努力をしてもフィジカル的な要素は外国人には勝てません。

稀に日本人離れしているフィジカルを持つ選手は存在しますが、全体の平均で考えた場合、どんなに努力しても外国人と渡り合るフィジカルを身に着ける事は不可能です。

それよりも、フィジカルが劣る短所を受け入れ、日本人の長所である『技術、組織力』を伸ばすべきだと、わたしは考えています。

ハリルホジッチは日本人の長所を無視し、外国人基準を代表選手に強要しているので、信用がおけません。

関連記事:ハリルホジッチの戦術には全く期待できない…避けられない日本代表の弱体化。

更に、用いる戦術も日本人の長所である、技術、組織力を無視する戦術を押し付けようとしています。

ハリルホジッチが『縦に速いサッカーを!』という提唱は理解できるのですが、従来の日本代表のベースを継いだ上で、選手に浸透をさせて欲しかったです。

日本代表に縦に速いショートカウンターだけを植え付け、同時に日本代表の長所である、技術と組織力をベースとしたポゼッションサッカーも活かせる様にする。

それがなされなかったのは残念です。

その癖、守備時はハイライン、ハイプレスを序盤から強いているので、時間と共に日本代表の動きが悪くなり、終盤の大切な場面で失点するシーンを何度も見てきました。

ポゼッションサッカーを否定する事は簡単ですが、日本代表の強みである技術と組織力を最大限に活用できる戦術の一つです。

頭ごなしにポゼッションサッカー=日本サッカーの悪しき習慣というのは、おかしい…と思った次第でした。

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