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岡崎慎司のレスターシティでの活躍は何故、日本ではあまり話題にならないのか?

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okacyan

現在、世界中のサッカー関係者から注目を集めているクラブチームがあります。

そのクラブは、イングランドのプレミアリーグに所属するレスターシティFC。

しかし、レスターは、とてもビッグクラブとは言えるクラブではありません。Jリーグで言えば、J2とJ1を行ったり来たりしている、中堅・下位クラブです。

岡崎慎司は、今季、そのレスターシティに加入しました。

岡崎慎司はブンデスリーグで得点を量産し、リーグを代表する日本人ストライカーとして確固たる実績を築いたのです。

しかし、年齢は29歳。サッカー選手としては、そろそろ引退後の身の振り方を意識しなければならない時期になっていました。

彼はかねてから、最もパワフルで激しく、スピーディーなイングランドプレミアリーグでのプレーを夢見ていました。

そんな折、プレミアリーグで残留争いを熾烈に繰り広げている、レスターシティからの移籍話が持ち上がったのです。

その時に所属していたマインツに残留すれば、レギュラーと活躍は約束されていた事は間違いなく、それ以外にも、ブンデスリーグの強豪クラブからの移籍話も上がっていました。

当時、レスターへの移籍は岡崎慎司にとって、メリットは殆どなかった筈です。

チームは残留争い中で、もし、降格すれば、プレミアリーグではなくフットボール・チャンピオンシップ落ち(要は2部リーグ)

もし、降格を免れても、アジア人に対する偏見が強いプレミアリーグでは、レギュラーの保証は全くなし…そして、身体もプレミアリーグでは小柄であるという事もハンデ…

それでも、岡崎慎司は『ベンチでも構わないので、自身の海外キャリア最後にプレミアリーグを体験してみたい

という事で、彼がレスターシティへの移籍を決意します。

ただ、そんな岡崎慎司の決意がとんでもない奇跡への一歩になるとは…

岡崎慎司のサッカー人生を締めくくるボーナスとして選んだレスター移籍が、あのプレミアリーグの歴史を変える可能性を秘めた決断になる事になります。

レスターシティ!まさかの快進撃!走りに走り抜いた岡崎慎司!

レスターシティは、かろうじてプレミアリーグに残留する事が出来ました。

そして、岡崎慎司が加入した2015-2016シーズンの目標は当然、『プレミアリーグ残留』だったんです。

スターティングメンバー選ばれるか心配された岡崎慎司でしたが、幸先よく、開幕戦でプレミアリーグのデビュー飾ります。

遂に念願のプレミアリーグデビューが叶った岡崎慎司は、とにかく走りに走り抜きました。

同じくフォワードを務めるジェイミーバーディも岡崎慎司と似たタイプのフォワードで彼と共に、フォワードなのに守備に奔走していたんです。

普通、点を取る役目のフォワードは守備をあんまりしないというのが常識でしたが、レスターシティのフォワード二人、岡崎慎司とバーディは、守備に攻撃に走りまくりました。

この桁外れの運動量にチームが応え、そして、フォワードのバーディとサイドハーフのマフレズが毎試合、得点を重ねて、レスターシティの快進撃が始まります。

試合数を消化する毎に、レスターシティは徐々に順位を上げ、いつの間にか、プレミアリーグの首位に躍り出るという快挙を成し遂げました。

プレミアリーグ残留が目標と言われていたチームが、首位をひた走る!

プレミアリーグの強豪クラブである、チェルシ―、マンチェスターシティ、アーセナル、マンチェスターユナイテッド、リバプールを抑えて首位を快走しています。

寄せ集め、落第組が主力のレスターですが、攻守に全く隙がない強いチーム!

好調のレスターを支えているのが、得点源であるバーディ、マフレズの力量に拠るところが大きいですが、数人の選手の活躍で勝ち抜ける程、プレミアリーグは甘くはありません。

現在のレスターシティはとにかく守備が固いです。

岡崎慎司、バーディによる最前線からの守備に加え、中盤ではカンテ、ドリンク・ウォーターによる強烈なディフェンス。

最終ラインには対人に加え、空中戦に滅法強い、フートとモーガンのセンターバックコンビが並び、鉄壁のディフェンスを誇っています。

岡崎慎司とバーディが相手のパスミスを誘い、カンテ、ドリンク・ウォータがインターセプト(パスカット)を担い、中盤を省略したロングボールにはフート、モーガンで対応。

この一連の守備が完全にフィットしており、バルセロナ、レアルマドリード、バイエルン・ミュンヘンなどの世界屈指のクラブと激闘を繰り広げている、プレミアリーグの強豪チームもレスターの守備に手を焼いています。

攻撃は非常にシンプルで、最前線のバーディーにロングボールを放り込むというパターンが基本です。そして、放り込まれたボールを着実にバーディが得点をするので強いんですよ。

バーディを警戒し、数人掛かりでマークをしたとしても、サイドに位置するマフレズにボールを預け、彼の個人技から守備を崩して、得点をするというのがレスターの攻撃です。

守備が固い上に、きっちりと少ないチャンスで得点を重ねる選手がいるから、レスターシティは勝利を重ねる事が出来ているんです。決して、勢いと運の良さだけではありません。

そんなレスターシティの主力組ですが、実は岡崎慎司が、最もサッカー選手としてのキャリアを持っています。

元セミプロ、名門クラブの落第組がレスターシティの主力なんです。エースであるバーディは数年前まで、サッカーだけでは生計を立てられず、工場勤務も行い生活をしていました。

もう一人のエース、マフレズは、現在はプレミアリーグ最高のドリブラ―といってよい程の実力を見せていますが、レスタシティーに移籍するまではフランスの2部の選手としてくすぶっていたんです。

来季、移籍市場を騒がせる事になると予想される、中盤のカンテも169cmという身長のせいもあるのか、マフレズと同様にレスター移籍前はフランスの2部でプレーをしていました。

ゴールキーパーのキャスパー・シュマイケルは、マンチェスターユナイテッドの伝説的ゴールキーパーである、ピーター・シュマイケルの息子です。

ですが、偉大な父には及ばないと早々に烙印を押され、クラブをたらい回しにされた結果、辿り付いたのがレスターシティでした。

カンテと共に中盤を務める、変わった名前を持つドリンク・ウォーターはマンチェスターユナイテッドのユースに所属。

ただ、彼も早々に見切りを付けられ、下位クラブをたらい回しにされ、行きついたのがレスターシティ…

このように、現在のレスターシティの主力組は、華々しい環境に恵まれた訳でもなく、色々とプロ選手としての苦労を味わった末、レスターシティに加入してきたんです。

彼等、主力組の移籍金総額は11人合計、たったの42億円…マンチェスターユナイテッドで大失敗の補強といわれたメンフィス・デパイの移籍金が約46億円…

今季、チャンピオンズリーグ出場権を得られる4位に滑り込むことが難しくなった、マンチェスターユナイテッドが大金を掛けて獲得した微妙な選手一人よりも、首位レスターの主力組全員の方が移籍金が安いという…

サッカーはお金だけじゃない。という側面が強く見られます。

プレミアの歴史を新たに刻み続ける岡崎慎司。何故、日本のメディアはあまり話題にしないのか?

もし、レスターシティがプレミアリーグを制覇してしまったとしたら、岡崎慎司は日本サッカー界史上、最も海外で成功した選手になります。

その偉業は、釜本邦茂、奥寺康彦、三浦知良、中田英寿などの日本サッカー界の名選手を凌ぐ事になる筈です。

中田英寿は当時、最強と言われたセリエAのローマでスクデット(優勝)を経験していますが、彼はチームの主力メンバーだった訳ではありません。

岡崎慎司はレスターシティの主力選手として、試合の勝敗に貢献し、プレミアリーグの新たなる歴史を刻み続けています。

冗談抜きで、岡崎慎司がレスターシティに移籍していなかったら、現在の首位には付けていなかった筈です。

獲得した得点こそは少ないですが、守備での貢献、ここぞという場面での試合を決める得点をチームに捧げているのです。

また、プレミアリーグというのは、試合数がリーガ・エスパニョーラ、セリエA、ブンデスリーグよりも多い為、体力の消耗が激しいのが特徴です。

こういうリーグの場合、運もそうですが、チーム力が成績に色濃く影響してくるんです。数試合程度だったら、実力が劣るチームでも勝利を重ねる事が可能です。

ですが、試合数が多くなればなるほど、実力の差がはっきりと成績に影響してくるので、プレミアリーグを制覇するには、本当に実力があるチームでなければ無理なんです。

選手の補強費が世界屈指であるプレミアリーグで優勝するという事は、尋常ではない、費用と労力、人材が必要とされと言われてきました。

そんなプレミアリーグで、補強費用も少なく、選手層も薄いレスターシティが優勝するという事は、サッカー界の常識を覆す出来事なんですね。

キャリアを締めくくるプレゼント。そういう位置づけで、念願のプレミアリーグに移籍した岡崎慎司は、サッカー界の歴史を覆す偉業に挑戦しています。

そんな選手を何故、日本のメディアは話題にしないのでしょうか?

本田圭佑、香川真司の活躍も凄い事なんですけれども、日本人サッカー選手として、奇跡の偉業にチャレンジしている岡崎慎司をもっと話題にして、応援して欲しいです。

もし、プレミアリーグを制覇してしまったら、岡崎慎司は国民栄誉賞を貰ってもおかしくはありません。

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